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心理学入門

認知・学習・発達・社会・臨床・研究法

記憶のしくみ、条件づけ、ピアジェの発達段階、アッシュの同調実験から研究法まで、大学教養レベルの心理学を4択40問で確かめます。初めて学ぶ人向けのやさしい解説つき。無料・登録不要。

問題 40 問・6 分野 | 最終更新 2026-10-10

目次
  1. 認知(知覚・記憶) (8)
  2. 学習・行動 (6)
  3. 発達 (6)
  4. 社会心理 (7)
  5. 臨床・パーソナリティ (7)
  6. 研究法 (6)
  7. 演習ツール

認知(知覚・記憶)

問1 | 有名な錯視

同じ長さの2本の線分が、両端に付けた矢羽の向きによって異なる長さに見える錯視を何と呼ぶか。

  1. ミュラー・リヤー錯視
  2. ポンゾ錯視
  3. エビングハウス錯視
  4. ストループ効果
正解: A. ミュラー・リヤー錯視

矢羽が外向きに開いた線分は長く、内向きの線分は短く見える。ポンゾ錯視は収束する2本の線の間での長さの錯視、エビングハウス錯視は周囲の円の大きさによる錯視で混同しやすい。ストループ効果は錯視ではなく色と文字の干渉現象である。

問2 | 記憶のしくみ

アトキンソンとシフリンの多重貯蔵モデルで、情報が保持時間の短い貯蔵庫から順に流れる正しい経路はどれか。

  1. 短期記憶 → 感覚記憶 → 長期記憶
  2. 感覚記憶 → 短期記憶 → 長期記憶
  3. 感覚記憶 → 長期記憶 → 短期記憶
  4. 長期記憶 → 短期記憶 → 感覚記憶
正解: B. 感覚記憶 → 短期記憶 → 長期記憶

感覚記憶は1秒前後、短期記憶は数十秒程度、長期記憶はほぼ永続的とされる。リハーサル(復唱)によって短期記憶から長期記憶へ情報が転送されると考えられており、順序を入れ替えた選択肢と混同しないよう注意したい。

問3 | 短期記憶の容量

ミラー(1956)が短期記憶の容量として提唱した「マジカルナンバー」はどれか。

  1. 4±1チャンク
  2. 12±2チャンク
  3. 7±2チャンク
  4. 2±1チャンク
正解: C. 7±2チャンク

ミラーが提唱したのは7±2チャンク。ただし近年はカウアン(2001)が約4±1チャンクとする説を示し、測定方法によって推定値が変わることが知られている。現在の教科書では両説が併記されることが多く、4±1はカウアンの説として問われれば正解になる。

問4 | 覚えやすい位置

単語リストを記憶させると、リストの最初と最後の項目の再生率が高くなる。この現象を何と呼ぶか。

  1. 文脈効果
  2. 初頭効果
  3. ハロー効果
  4. 系列位置効果
正解: D. 系列位置効果

最初の項目の成績がよいのが初頭効果、最後がよいのが新近効果で、両者を合わせて系列位置効果と呼ぶ。「初頭効果」だけでは最後の項目の成績上昇を説明できないため不十分。ハロー効果は対人評価のバイアスで記憶現象ではない。

問5 | 声を聞き分ける

騒がしいパーティー会場でも、自分に関係のある会話や自分の名前は自然と耳に入ってくる。この選択的注意の現象は。

  1. プライミング効果
  2. カクテルパーティー効果
  3. サブリミナル効果
  4. ツァイガルニク効果
正解: B. カクテルパーティー効果

チェリーの両耳分離聴の実験などで研究された選択的注意の代表例。注意を向けていない側の音声でも、自分の名前のような重要な情報は検出されやすい。ツァイガルニク効果は「未完了の課題ほど記憶に残りやすい」現象で、注意の現象ではない。

問6 | 忘却曲線

無意味つづりを用いた実験で、記憶した内容が時間の経過とともにどれだけ失われるかを示す「忘却曲線」を初めて描いたのは誰か。

  1. エビングハウス
  2. ヴント
  3. スキナー
  4. フェヒナー
正解: A. エビングハウス

エビングハウスは自分自身を実験参加者として無意味つづりを記憶し、忘却は学習直後に急速に進み、その後は緩やかになることを示した。ヴントは実験心理学の創始者、フェヒナーは精神物理学の創始者で、いずれも忘却曲線の考案者ではない。

問7 | 作業する記憶

バドリーのワーキングメモリ・モデルにおいて、音韻ループや視空間スケッチパッドなどのサブシステムを制御する中枢は。

  1. エピソード・バッファ
  2. 長期貯蔵庫
  3. 感覚レジスター
  4. 中央実行系
正解: D. 中央実行系

中央実行系は注意の配分と各サブシステムの制御を担う。エピソード・バッファは2000年にモデルへ追加された情報統合用のサブシステムであり、制御中枢ではない点で混同しやすい。ワーキングメモリは暗算や読解など認知活動の作業場にあたる。

問8 | 記憶は変わる

ロフタスらの実験では、出来事の後に与えられた誘導的な情報によって目撃記憶が書き換えられることが示された。この現象を何と呼ぶか。

  1. フラッシュバルブ記憶
  2. 舌先現象
  3. 誤情報効果
  4. 展望記憶の失敗
正解: C. 誤情報効果

自動車事故の映像を見せた後、「衝突した」か「激突した」かなど質問の言葉づかいを変えるだけで、速度の推定や割れたガラスの誤報告が変化した。記憶は録画の再生ではなく再構成的であることを示し、目撃証言の信頼性をめぐる議論に大きな影響を与えた。

学習・行動

問9 | パブロフの犬

パブロフの実験で、犬がベルの音だけで唾液を分泌するようになったとき、このベルの音は何と呼ばれるか。

  1. 無条件刺激
  2. 条件反応
  3. 条件刺激
  4. 弁別刺激
正解: C. 条件刺激

訓練前は中性刺激だったベルの音が、餌(無条件刺激)と繰り返し対提示されることで条件刺激となり、唾液分泌という条件反応を引き起こす。学習なしで反応を引き起こす餌の方を条件刺激と混同しやすいので、刺激と反応の対応を整理して覚えたい。

問10 | スキナー箱

レバーを押すと餌が出る実験箱を用いて、自発的な行動がその結果によって増減する「オペラント条件づけ」を体系化したのは誰か。

  1. パブロフ
  2. スキナー
  3. ワトソン
  4. ソーンダイク
正解: B. スキナー

スキナーはスキナー箱を用いて強化のしくみを詳細に研究した。ソーンダイクの問題箱による試行錯誤学習(効果の法則)はその先駆にあたるため混同しやすい。パブロフは古典的条件づけ、ワトソンは行動主義の提唱者である。

問11 | 二つの条件づけ

古典的条件づけとオペラント条件づけの違いの説明として最も適切なのはどれか。

  1. 前者は刺激によって誘発される反応の学習、後者は自発的な行動とその結果の関係の学習である
  2. 前者は自発的な行動の学習、後者は反射的な反応の学習である
  3. 前者は動物のみ、後者はヒトのみに成立する
  4. 前者は罰を用い、後者は報酬のみを用いる
正解: A. 前者は刺激によって誘発される反応の学習、後者は自発的な行動とその結果の関係の学習である

古典的条件づけは唾液分泌のような誘発反応(レスポンデント行動)が対象で、オペラント条件づけは自発的行動が強化や弱化という結果によって変化する学習である。どちらもヒトと動物の両方に成立し、逆にした説明が典型的なひっかけになる。

問12 | 負の強化とは

オペラント条件づけにおける「負の強化」の意味として正しいのはどれか。

  1. 罰を与えることで行動の頻度を減らす
  2. 報酬を取り上げることで行動の頻度を減らす
  3. 行動を無視することで反応を消去する
  4. 不快な刺激が取り除かれることで、その行動の頻度が増える
正解: D. 不快な刺激が取り除かれることで、その行動の頻度が増える

「負」は刺激の除去を、「強化」は行動の増加を指す。頭痛薬を飲むと痛みが消えるため服薬行動が増える、が典型例。行動を減らす「罰(弱化)」と混同されやすいが、強化は必ず行動を増やす手続きである点で区別できる。

問13 | 見て学ぶ

ボボ人形を用いた実験で、子どもが大人の攻撃行動を観察するだけでそれを模倣することを示し、観察学習(モデリング)を提唱したのは誰か。

  1. スキナー
  2. ハーロウ
  3. ローレンツ
  4. バンデューラ
正解: D. バンデューラ

バンデューラの社会的学習理論では、本人への直接の強化がなくても、モデルの行動とその結果を観察するだけで学習が成立する。ローレンツはハイイロガンの刷り込み(インプリンティング)の研究者で、観察学習とは別の現象である。

問14 | あきらめの学習

回避不可能な電気ショックを経験した犬が、後に回避できる状況に置かれても逃げようとしなくなる現象を、セリグマンは何と呼んだか。

  1. 学習性無力感
  2. 消去
  3. 般化
  4. 刷り込み
正解: A. 学習性無力感

自分の行動では結果を制御できないという経験を重ねると、統制可能な場面でも行動を起こさなくなる。うつ病の心理学的モデルの一つとして応用された。消去は強化を止めることで反応が減る現象、般化は似た刺激にも反応が広がる現象で、いずれも別概念。

発達

問15 | 発達の四段階

ピアジェの認知発達段階を、年齢の低い方から正しい順に並べたものはどれか。

  1. 前操作期 → 感覚運動期 → 具体的操作期 → 形式的操作期
  2. 感覚運動期 → 前操作期 → 具体的操作期 → 形式的操作期
  3. 感覚運動期 → 具体的操作期 → 前操作期 → 形式的操作期
  4. 前操作期 → 具体的操作期 → 形式的操作期 → 感覚運動期
正解: B. 感覚運動期 → 前操作期 → 具体的操作期 → 形式的操作期

おおよそ感覚運動期(0〜2歳)、前操作期(2〜7歳)、具体的操作期(7〜11歳)、形式的操作期(11歳以降)とされる。年齢はあくまで目安であり、発達の速さには個人差や文化差があることも近年の教科書では強調されている。

問16 | 針金の母と布の母

ハーロウのアカゲザル実験で、子ザルが1日の大半をしがみついて過ごしたのはどちらの代理母か。

  1. ミルクが出る針金製の代理母
  2. 2体の代理母にほぼ同じ時間
  3. ミルクは出ないが柔らかい布で覆われた代理母
  4. どちらの代理母にも近づかなかった
正解: C. ミルクは出ないが柔らかい布で覆われた代理母

子ザルは授乳してくれる針金母よりも、接触の心地よさ(コンタクト・コンフォート)を与える布母と長い時間を過ごした。愛着の形成が授乳という生理的欲求の充足だけでは説明できないことを示し、ボウルビィの愛着理論を支える知見となった。

問17 | 愛着を測る方法

母子の分離と再会の場面を観察して乳児の愛着(アタッチメント)の質を分類する「ストレンジ・シチュエーション法」を開発したのは誰か。

  1. ボウルビィ
  2. エインズワース
  3. ハーロウ
  4. ゲゼル
正解: B. エインズワース

エインズワースは安定型・回避型・アンビバレント型の愛着タイプを見いだした(後に無秩序型が追加)。愛着理論そのものの提唱者であるボウルビィと混同しやすいが、測定法を開発したのはエインズワースである。ゲゼルは成熟優位説で知られる。

問18 | 青年期の課題

エリクソンの心理社会的発達理論において、青年期の発達課題とされるのはどれか。

  1. 基本的信頼の獲得
  2. 自律性の獲得
  3. 親密性の獲得
  4. 同一性(アイデンティティ)の確立
正解: D. 同一性(アイデンティティ)の確立

エリクソンは生涯を8つの段階に分け、青年期の課題を「同一性の確立 対 同一性の拡散」とした。基本的信頼は乳児期、自律性は幼児前期、親密性は成人初期の課題であり、段階の順序ごと混同しやすいので整理しておきたい。

問19 | 発達の最近接領域

「ひとりでできること」と「大人や仲間の援助があればできること」の間の領域を発達において重視した、ヴィゴツキーの概念はどれか。

  1. 発達の最近接領域
  2. シェマ
  3. 臨界期
  4. レディネス
正解: A. 発達の最近接領域

ヴィゴツキーは社会的相互作用や言語が発達を導くと考え、援助(足場かけ)によって到達できる領域を発達の最近接領域と呼んだ。シェマはピアジェの用語で認知の枠組みを指し、別の理論体系の概念であるため混同に注意したい。

問20 | サリーとアン課題

サリーとアン課題のような誤信念課題によって調べられる、他者の心の状態を推測する能力を何と呼ぶか。

  1. メタ認知
  2. 共同注意
  3. 心の理論
  4. 自己意識
正解: C. 心の理論

誤信念課題は「他者が現実とは異なる誤った信念を持ちうる」ことの理解を調べるもので、定型発達ではおおむね4〜5歳ごろに通過するとされる。メタ認知は自分自身の認知についての認知を指す言葉であり、他者の心の推測とは区別される。

社会心理

問21 | 多数派の圧力

明らかに長さの異なる線分の判断課題で、サクラたちの一致した誤答につられて参加者まで誤答してしまうことを示した実験は。

  1. ミルグラムの服従実験
  2. ジンバルドーの監獄実験
  3. アッシュの同調実験
  4. シェリフの自動運動実験
正解: C. アッシュの同調実験

課題自体は簡単なのに、多数派が一致して誤答すると参加者の約3分の1の試行で同調が生じ、7割以上の人が少なくとも1回は同調した。曖昧な光点を用いたシェリフの実験と異なり、明確に誤りと分かる場面でも同調が起きることを示した点が重要。

問22 | 会うほど好きに

特別なやりとりがなくても、繰り返し接するだけで対象への好意度が高まる現象を、ザイアンスは何と名づけたか。

  1. 単純接触効果
  2. 返報性の原理
  3. 類似性効果
  4. ピグマリオン効果
正解: A. 単純接触効果

単純接触効果は広告やCMの反復にも応用される。ただし、最初から強い嫌悪を抱いている対象では、接触の繰り返しがかえって嫌悪を強めうることも指摘されている。返報性の原理は「好意を向けられると好意を返したくなる」傾向で別の現象である。

問23 | 傍観者の心理

緊急事態のとき、その場に居合わせる人が多いほどかえって援助行動が起きにくくなる現象を何と呼ぶか。

  1. 社会的促進
  2. 同調効果
  3. 社会的補償
  4. 傍観者効果
正解: D. 傍観者効果

ラタネとダーリーは、責任の分散・評価懸念・多元的無知によって人数が多いほど援助が抑制されることを実験で示した。キティ・ジェノヴィーズ事件が研究の契機とされるが、当時の「38人が見ていた」という報道には誇張があったことも指摘されている。

問24 | 心のつじつま

フェスティンガーの理論で、自分の行動と信念のあいだの矛盾から生じる不快感、およびそれを解消しようとする心の働きに関わる概念は。

  1. 防衛機制
  2. 認知的不協和
  3. 自己成就予言
  4. 心理的リアクタンス
正解: B. 認知的不協和

退屈な作業に1ドルしか報酬をもらえなかった群の方が、20ドルもらった群より作業を「面白かった」と評価した実験が有名。報酬が少ないと行動を正当化する理由が足りず、態度の方を変えて不協和を低減すると説明される。防衛機制は精神分析の概念。

問25 | 原因の見誤り

他者の行動の原因を、状況の力を軽視して本人の性格や能力に求めすぎる傾向を何と呼ぶか。

  1. 自己奉仕バイアス
  2. 基本的な帰属のエラー
  3. 確証バイアス
  4. 後知恵バイアス
正解: B. 基本的な帰属のエラー

遅刻した人を「だらしない性格だ」と判断しがちだが、実際には交通機関の乱れなど状況要因かもしれない。自己奉仕バイアスは自分の成功を能力に、失敗を状況に帰属する傾向であり、対象が自分か他者かで区別すると覚えやすい。

問26 | 権威への服従

ミルグラムの服従実験の標準条件で、実験者の指示に従い最大電圧(450ボルト)のスイッチまで押した参加者の割合はおよそどれくらいか。

  1. 約5%
  2. 約25%
  3. 約65%
  4. 約95%
正解: C. 約65%

事前の専門家の予想を大きく上回り、約65%が最後まで服従した。ただし、偽の電気ショックとはいえ参加者に強い心理的苦痛を与えたことから研究倫理上の強い批判を受け、現在の倫理基準では同じ形での実施は難しい。条件次第で服従率が大きく変わることも示された。

問27 | 役割の力

ジンバルドーが実施し、看守役と囚人役に割り当てられた学生の行動が数日で大きく変化したと報告された実験はどれか。

  1. スタンフォード監獄実験
  2. ホーソン実験
  3. ロバーズ・ケーブ実験
  4. アイヒマン実験
正解: A. スタンフォード監獄実験

状況や役割の力を示す例として有名だが、近年は看守役への振る舞いの誘導があった記録などが公開され、結論の解釈をめぐって論争がある。教科書でも倫理面・方法面の批判とあわせて紹介されることが増えた。ロバーズ・ケーブはシェリフによる集団間葛藤の実験。

臨床・パーソナリティ

問28 | 無意識の発見者

精神分析を創始し、心の働きの大部分を占めるとされる「無意識」の役割を重視したのは誰か。

  1. ユング
  2. ワトソン
  3. ロジャーズ
  4. フロイト
正解: D. フロイト

フロイトは自由連想法や夢分析を用い、心をエス(イド)・自我・超自我からなる構造としてとらえた。ユングはフロイトと決別して分析心理学を創始し、集合的無意識を提唱した人物であるため、「無意識」つながりで混同しやすい。

問29 | 性格の5因子

パーソナリティのビッグファイブ(5因子モデル)に含まれない特性はどれか。

  1. 攻撃性
  2. 外向性
  3. 神経症傾向
  4. 開放性
正解: A. 攻撃性

ビッグファイブは開放性・誠実性(勤勉性)・外向性・協調性・神経症傾向の5つで、攻撃性は独立した因子として含まれない。語彙研究と因子分析から導かれた特性論の代表的モデルとして、現在の性格研究で広く用いられている。

問30 | 考え方を変える

出来事そのものではなく、出来事のとらえ方(認知)が感情や行動に影響すると考え、非機能的な認知の修正を目指す心理療法は。

  1. 精神分析療法
  2. 来談者中心療法
  3. 認知行動療法
  4. 系統的脱感作法
正解: C. 認知行動療法

ベックの認知療法やエリスの論理療法を源流とし、行動療法と統合されて発展した。うつ病や不安症への有効性を支持する研究が多い。来談者中心療法は共感的な傾聴を重視するロジャーズの療法で、認知の修正を直接の目標とはしない点で異なる。

問31 | 欲求の階層

マズローの欲求階層説において、最も高次に位置づけられる欲求はどれか。

  1. 承認(尊重)の欲求
  2. 自己実現の欲求
  3. 所属と愛の欲求
  4. 安全の欲求
正解: B. 自己実現の欲求

生理的欲求から安全、所属と愛、承認、自己実現へと階層をなすとされる。よく見るピラミッドの図はマズロー自身が描いたものではないこと、下位欲求が満たされないと上位が現れないという厳密な順序には実証的裏付けが乏しいことも指摘されている。

問32 | 知能のg因子

スピアマンが提唱した、さまざまな知的課題の成績に共通して働くとされる一般知能因子を何と呼ぶか。

  1. s因子
  2. 結晶性知能
  3. EQ(心の知能指数)
  4. g因子
正解: D. g因子

スピアマンは共通のg因子と課題固有のs因子を仮定した(2因子説)。一方、ガードナーの多重知能理論のように知能を複数の独立した能力の集まりとみなす立場もあり、知能の構造をどうとらえるかは現在も議論が続いている。s因子は課題固有の因子なので逆。

問33 | 傾聴の姿勢

ロジャーズの来談者中心療法でカウンセラーに求められる中核的な態度として、適切でないものはどれか。

  1. 無条件の肯定的配慮
  2. 共感的理解
  3. 自己一致(純粋性)
  4. 解決策を積極的に指示する態度
正解: D. 解決策を積極的に指示する態度

ロジャーズは無条件の肯定的配慮・共感的理解・自己一致の3条件を重視し、クライエント自身が持つ成長への力を信頼する非指示的な姿勢をとった。カウンセラーが答えを与えて指示することは、この立場の基本姿勢に反する。

問34 | 誰にでも当たる

「あなたには外向的な面も内向的な面もある」のような誰にでも当てはまる記述を、自分によく当てはまると感じてしまう現象は。

  1. ピグマリオン効果
  2. バーナム効果
  3. プラセボ効果
  4. ハロー効果
正解: B. バーナム効果

フォアラーの実験では、全員にまったく同じ性格記述を渡したのに、多くの学生が「自分によく当たっている」と高く評価した。占いや血液型性格判断が当たると感じられる一因とされる。ピグマリオン効果は教師の期待が生徒の成績を変える現象で別物。

研究法

問35 | 操作する変数

実験において、研究者が仮説を検証するために意図的に操作する変数を何と呼ぶか。

  1. 従属変数
  2. 剰余変数
  3. 独立変数
  4. 媒介変数
正解: C. 独立変数

研究者が操作するのが独立変数、その影響を受けるものとして測定されるのが従属変数である。剰余変数(交絡変数)は結果に影響しうる第三の変数で、統制の対象となる。独立変数と従属変数を逆に覚えてしまう誤りが非常に多いので注意。

問36 | 相関≠因果

「アイスクリームの売上と水難事故の件数には正の相関がある」から因果関係を結論できない理由として、最も適切なのはどれか。

  1. 気温のような第三の変数が両方に影響している可能性があるから
  2. 相関係数が1ちょうどではないから
  3. データの件数が多すぎるから
  4. 相関は常に因果と逆方向を示すから
正解: A. 気温のような第三の変数が両方に影響している可能性があるから

相関関係だけでは因果の方向を特定できず、第三変数(交絡)による見かけの相関の可能性も排除できない。この例では暑さがアイスの売上と水遊びの機会の両方を増やしていると考えられる。因果の主張には実験的統制や無作為割り当てが必要になる。

問37 | 比べるための群

実験で処置を行わない統制群を設け、参加者を無作為に各群へ割り当てる主な目的はどれか。

  1. 処置以外の要因によって群間に差が生じる可能性を減らすため
  2. 参加者の人数を増やすため
  3. 実験を早く終わらせるため
  4. 従属変数を直接操作するため
正解: A. 処置以外の要因によって群間に差が生じる可能性を減らすため

無作為割り当てにより、年齢や性格などの個人差が両群へ平均的に均等に散らばることが期待でき、群間の差を処置の効果として解釈しやすくなる。従属変数は操作するものではなく測定するものである点も、あわせて確認しておきたい。

問38 | 二重盲検法

薬や介入の効果を検証する際、参加者と実験者(評価者)の双方に、どの参加者がどちらの群かを知らせずに行う手続きを何と呼ぶか。

  1. 単盲検法
  2. カウンターバランス
  3. 二重盲検法
  4. フィールド実験
正解: C. 二重盲検法

参加者の期待によるプラセボ効果と、実験者の期待が測定や接し方に影響する実験者効果の両方を防ぐための手続きである。参加者だけに知らせない方法は単盲検法と呼ばれ、区別して覚えたい。カウンターバランスは条件の順序効果への対処法。

問39 | p値の意味

有意水準5%の検定で「p < .05」という結果が得られたとき、その正しい解釈に最も近いのはどれか。

  1. 研究者の仮説が正しい確率が95%以上である
  2. 結果が実用的に重要であることが保証される
  3. 同じ実験を繰り返せば95%の確率で再現される
  4. 帰無仮説が正しいと仮定した場合に、観測された以上に極端なデータが得られる確率が5%未満である
正解: D. 帰無仮説が正しいと仮定した場合に、観測された以上に極端なデータが得られる確率が5%未満である

p値は「仮説が正しい確率」でも「再現される確率」でもなく、帰無仮説のもとでのデータの珍しさを表す。誤用の広がりを受けて米国統計学会は2016年に声明を出し、効果量や信頼区間とあわせて解釈することを推奨している。

問40 | 再現性の問題

2015年、心理学の主要誌に載った約100の研究を国際チームが追試した「再現性プロジェクト」の結果として報告されたのはどれか。

  1. ほぼすべての研究が再現された
  2. 統計的に有意な結果が再現されたのは4割弱にとどまった
  3. 再現された研究は1つもなかった
  4. 追試は倫理的問題で中止された
正解: B. 統計的に有意な結果が再現されたのは4割弱にとどまった

オープンサイエンス・コラボレーションの報告では、有意な結果の再現は4割弱(約36%)にとどまった。原因を出版バイアスや研究慣行に求める見方と、追試方法の違いを重視する見方があり解釈は分かれる。この論争を機に事前登録などの改善策が広がった。

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