大学進学の「機会費用」に含まれる代表的なものはどれか。
- 進学しなければ働いて得られたはずの収入
- 大学に支払う授業料そのもの
- 卒業後に期待できる生涯賃金の増加分
- 在学中に趣味に使ったお金
機会費用とは、ある選択をしたために諦めた他の選択肢から得られたはずの利益のこと。進学なら「働いていれば得られた収入」が代表例です。授業料は実際に支払う明示的費用であり、機会費用と混同しやすい点に注意しましょう。
大学
ミクロ・マクロ・金融財政・国際・行動経済学の基礎
需要と供給、GDP、金融政策、比較優位から行動経済学まで、大学1・2年の一般教養で学ぶ経済学の基礎を4択40問で確かめます。機会費用やナッジなど頻出テーマを、なぜその答えになるのかまで書いた解説つきで。無料・登録不要。
大学進学の「機会費用」に含まれる代表的なものはどれか。
機会費用とは、ある選択をしたために諦めた他の選択肢から得られたはずの利益のこと。進学なら「働いていれば得られた収入」が代表例です。授業料は実際に支払う明示的費用であり、機会費用と混同しやすい点に注意しましょう。
他の条件が一定のとき、財の価格が下がると需要量は通常どうなるか。
価格が下がると買いたい量が増えるという関係を「需要の法則」と呼び、需要曲線が右下がりになる理由です。「安いのに売れない」ように見える場合は、所得や流行など価格以外の条件が変わっていることが多く、法則の反例とは限りません。
所得が増えたとき、通常の財(正常財)の需要曲線はどう動くか。
所得が増えると同じ価格でも買いたい量が増えるため、需要曲線全体が右へシフトします。その財自体の価格変化は「曲線上の移動」、所得や嗜好など価格以外の要因の変化は「曲線のシフト」という区別が、最もよく問われる誤解ポイントです。
原材料価格の上昇は、その財の供給曲線と均衡価格にどんな影響を与えるか。
生産コストが上がると、同じ価格では以前ほど供給できなくなるため供給曲線は左へシフトします。その結果、均衡価格は上昇し取引量は減少します。コスト上昇を需要側の変化と取り違えないことがポイントです。
需要の価格弾力性が大きく(弾力的に)なりやすい財の特徴はどれか。
代替品が多い財は、値上がりすると他の財に乗り換えやすいため需要量が大きく変化し、弾力的になります。逆に必需品や支出割合の小さい財は、価格が変わっても需要量があまり変わらず非弾力的になりやすいのが標準的な整理です。
市場価格が均衡価格より高く、超過供給(売れ残り)が生じているとき、価格には通常どのような圧力がかかるか。
均衡価格より高い価格では供給量が需要量を上回り、売れ残りが発生します。売り手は在庫を売るために値下げするので、価格は均衡に向かって下落します。超過需要(品不足)のときは逆に上昇圧力がかかる、と対で覚えるのが基本です。
工場の排煙による公害のような「負の外部性」への対策として、原因者に課す税を何と呼ぶか。
社会に与える外部費用を価格に反映させ、生産・消費を望ましい水準に導く税を、提唱者の名からピグー税と呼びます。補助金や排出量取引も外部性対策の手段です。なお、当事者間の交渉による解決可能性を論じたコースの定理という考え方もあります。
経済学でいう「公共財」が持つ2つの性質の組み合わせとして正しいのはどれか。
公共財は、誰かの消費が他人の消費を妨げない「非競合性」と、対価を払わない人を締め出せない「非排除性」を持ち、灯台や国防が典型例です。このためフリーライダー問題が生じ、市場だけでは十分に供給されにくいとされます。「政府が提供するものすべて」ではない点が誤解されがちです。
GDP(国内総生産)の定義として最も適切なのはどれか。
GDPは「国内で」「一定期間に」生産された財・サービスの付加価値の合計です。国民を基準に海外での稼ぎも含めるのはGNI(旧GNP)で、両者はよく混同されます。ストック(資産残高)ではなくフロー(期間中の生産)を測る点も重要です。
次のうち、その年のGDPに原則として計上されないものはどれか。
中古品は生産された年のGDPにすでに計上されており、転売そのものはGDPに含まれません(仲介手数料など新たに生まれたサービス部分は含みます)。株式の売買や年金の給付といった「移転」も、新たな生産ではないため計上されない点をあわせて押さえましょう。
実際には金銭のやり取りがないのに、GDPに計上されるものの例はどれか。
持ち家は「自分自身に家賃を払って住んでいる」とみなす帰属計算により、家賃相当額がGDPに計上されます。一方、家事労働や無償ボランティアは市場で取引されないため原則含まれず、生活の豊かさを測る指標としてのGDPの限界としてよく議論されます。
インフレーションが進むと、貨幣の価値(購買力)はどうなるか。
インフレは物価が持続的に上昇する現象で、同じ金額で買える量が減るため、貨幣の実質的な価値は下がります。逆に物価が下がり続けるデフレでは貨幣価値は上がりますが、企業収益や雇用の悪化を伴いやすいとされます。
完全失業率を計算するとき、失業者数を割る分母は何か。
失業率=失業者÷労働力人口で、労働力人口とは就業者と、働く意思を持って職を探している失業者の合計です。求職をあきらめた人は労働力人口から外れて失業率に表れないため、失業率だけでは雇用情勢を測りきれないという指摘もあります。
消費者物価指数(CPI)が測っているものは何か。
CPIは家計が購入する代表的な財・サービスを「買い物かご」に見立て、その価格の動きを指数化したものです。企業間で取引される財の価格は企業物価指数で測ります。かごの中身が固定されるため、実感と指数がずれることがある点も知られています。
名目GDPから物価変動の影響を取り除いたものを何と呼ぶか。
実質GDPは基準年の価格で評価し直したGDPで、経済の実質的な成長を測るのに使います。物価が上がるだけでも名目GDPは膨らむため、「名目が増えた=豊かになった」とは限らないのがよくある誤解で、成長率の比較には実質値を用いるのが基本です。
短期のフィリップス曲線が示すとされる関係はどれか。
短期には、インフレ率が高い時期ほど失業率が低いという負の相関が観察されるとされます。ただし長期については、フリードマンらが「失業率は自然失業率に戻り相関は消える」と主張して以来、学派によって評価が分かれており、政策への含意も立場により異なります。
中央銀行である日本銀行の役割として適切でないものはどれか。
日銀は発券銀行・銀行の銀行・政府の銀行という3つの顔を持つ中央銀行で、個人や一般企業とは直接取引しません。「日銀にお金を預けられる」というイメージは誤解で、私たちが利用するのは民間の金融機関です。
日本銀行が国債などを市場から買い入れる「買いオペレーション」を行うと、通常どうなるか。
買いオペでは日銀が代金を支払うため市場に資金が供給され、金利は低下しやすくなります。景気を刺激する金融緩和の代表的な手段です。売りオペはその逆で、資金を吸収して金利を上げる引き締めに使われます。
財政の三機能に含まれないものはどれか。
財政の三機能は、公共財の供給などの資源配分、累進課税や社会保障による所得再分配、増減税や公共投資による経済安定化の3つです。為替レートを固定することは財政の機能とはされず、為替制度は通貨・金融の枠組みの問題です。
税を負担する人と納める人が異なる「間接税」に分類されるのはどれか。
消費税は消費者が負担し、事業者がまとめて納める間接税の代表です。所得税・法人税・相続税は負担者と納税者が一致する直接税に分類されます。間接税は所得が低い人ほど負担感が重くなる逆進性を持つ点が、しばしば論点になります。
銀行が預金の受け入れと貸出を繰り返すことで、経済全体の預金通貨が元のお金の何倍にも増えていく仕組みを何と呼ぶか。
貸し出されたお金が再び預金され、その一部がまた貸し出される連鎖で預金通貨が膨らむ仕組みが信用創造です。銀行は「預かったお金をそのまま又貸ししているだけ」ではなく、貸出を通じて新たな預金通貨を生み出している点が理解のポイントです。
不況時の財政政策をめぐり、「ケインズ派」の立場からの主張として最も近いものはどれか。
ケインズ派は、不況の原因を需要不足とみて、政府支出や減税で有効需要を補うことが有効だと考えます。一方、新古典派やマネタリストは、クラウディングアウトや将来増税の予想により財政出動の効果は薄れると批判しており、効果の大きさをめぐる学派間の議論は現在も続いています。
累進課税や失業保険のように、制度そのものが自動的に景気変動を和らげる働きを何と呼ぶか。
好況期には税収増・給付減、不況期には税収減・給付増が自動的に生じ、需要の振れを緩和する仕組みをビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置)と呼びます。国会の議決を経て裁量的に行うフィスカル・ポリシーとの対比で問われるのが定番です。
リカードの比較生産費説(比較優位の理論)が示す結論はどれか。
たとえすべての財の生産で劣っている国でも、機会費用が相対的に低い財に特化して貿易すれば、双方が利益を得られるというのが比較優位の考え方です。「絶対優位がなければ貿易で勝てない」というのが典型的な誤解で、比較優位は絶対優位とは別の概念です。
1ドル=150円から1ドル=120円になった。この変化と一般的な影響の組み合わせとして正しいのはどれか。
より少ない円で1ドルを買えるようになったので、円の価値は上がった=円高です。円高になると輸出品の外貨建て価格が割高になり輸出企業には逆風、逆に輸入や海外旅行には追い風となります。数字が小さくなると円安と勘違いしやすいので注意しましょう。
輸入品に関税をかけた場合、国内で通常起こることはどれか。
関税は輸入品の国内価格を押し上げ、競合する国内生産者を保護します。その一方で消費者はより高い価格を負担し、経済学の標準的な分析では、保護による利益より社会全体の損失(死荷重)が上回るとされます。保護貿易の是非は、この損失と政策目的を比べて議論されます。
国際収支のうち、貿易収支やサービス収支を含む項目はどれか。
経常収支は貿易収支・サービス収支・第一次所得収支・第二次所得収支で構成されます。海外投資から得る利子・配当は第一次所得収支に含まれ、近年の日本では貿易収支よりもこの項目が経常黒字の主因になっている点がよく出題されます。
「長期的な為替レートは、二国間の物価水準の比によって決まる」と考える学説はどれか。
同じ商品はどの国でも同じ価格に近づくはずだという一物一価の考え方を前提とするのが購買力平価(PPP)説です。長期の為替水準の目安とされる一方、短期のレートは金利差・資本移動・市場の期待に大きく左右されるため、その説明力をめぐって見解が分かれています。
『国富論』で「見えざる手」という言葉を用い、市場の自動調整作用を論じた経済学者は誰か。
アダム・スミスは1776年の『国富論』で、各人が自己の利益を追求する行動が市場を通じて社会全体の利益につながる仕組みを論じ、「経済学の父」と呼ばれます。もっとも、道徳哲学者でもあった彼が無条件の自由放任を説いたわけではない、という指摘もよくなされます。
世界恐慌後の1936年に『雇用・利子および貨幣の一般理論』を著し、有効需要の重要性を説いた経済学者は誰か。
ケインズは不況の原因を需要不足に求め、政府が支出などで需要を補う積極的な役割を理論づけました。以後のマクロ経済学は、ケインズ派と、市場の調整力を重視する新古典派系の学派との論争と対話を通じて発展してきました。
世界恐慌のきっかけとなった1929年の出来事はどれか。
1929年10月のニューヨーク株式市場の大暴落(暗黒の木曜日)をきっかけに、不況が世界へ波及しました。石油危機は1973年、リーマン・ショックは2008年の出来事で、年代の混同がよくある誤りです。世界恐慌はケインズ経済学が生まれる背景にもなりました。
資本主義経済の仕組みと矛盾を分析した『資本論』の著者は誰か。
マルクスは『資本論』で、労働価値説に基づいて資本主義の構造と矛盾を分析し、後の社会主義思想や経済学に大きな影響を与えました。第2巻・第3巻は盟友エンゲルスが遺稿を編集して刊行したことでも知られます。
「物価は主に貨幣量の動きで決まるため貨幣供給の安定的な管理を重視し、裁量的な財政政策には懐疑的」という立場は何と呼ばれるか。
フリードマンに代表されるマネタリズムは、貨幣量の安定的なルールに基づく管理を重視し、ケインズ的な裁量政策の効果に懐疑的です。これに対しケインズ派は財政政策の有効性を主張しており、両者の論争は現代マクロ経済学の枠組みを形づくった重要な対立軸です。
完全競争的な労働市場を仮定した標準的な教科書モデルでは、均衡賃金より高い最低賃金の設定は何をもたらすと予測されるか。
標準モデルでは、賃金の下限が均衡水準を上回ると労働需要が減り、失業が生じると予測されます。ただしこれはあくまで理論上の予測で、カードとクルーガーの研究以降、実証研究の結果は「雇用への悪影響は小さい」とするものと「無視できない」とするものに割れており、決着はついていません。
すでに支払って取り戻せない費用(サンクコスト)について、経済学が勧める合理的な扱い方はどれか。
取り戻せない費用は、今後どう行動しても変わらないため、合理的な意思決定では無視すべきものです。「ここまでお金と時間をかけたからやめられない」と続けてしまう心理はサンクコストの誤謬(コンコルド効果)と呼ばれ、行動経済学が扱う代表的な非合理性の一つです。
選択の自由を残したまま、初期設定や情報の見せ方の工夫でより望ましい行動をそっと促す手法を何と呼ぶか。
ナッジはセイラーらが広めた概念で、臓器提供の意思表示の初期設定や、食堂で健康的な料理を手前に置く工夫などが例です。禁止や金銭的インセンティブに頼らない点が特徴ですが、「本人のためなら誘導してよいのか」という倫理面の議論もあわせて知っておきたいところです。
プロスペクト理論が指摘する、人間の典型的な傾向はどれか。
カーネマンとトヴェルスキーのプロスペクト理論では、人は同じ金額でも利得の喜びより損失の痛みをおよそ2倍程度重く感じる(損失回避)とされます。伝統的な期待効用理論が仮定する合理的な判断から、人間が系統的にずれることを示した点で重要な理論です。
最初に提示された数字が基準(いかり)となり、その後の判断が引きずられる現象を何と呼ぶか。
「定価10,000円→特価6,000円」の表示で実際より安く感じるのが典型例で、最初の数字が錨のように判断を固定します。同じ内容でも表現の仕方(利得か損失か)で選択が変わるフレーミング効果とは、区別して覚えるのがポイントです。
「目先の満足を、将来の大きな利益よりも過大に評価してしまう」傾向を指す行動経済学の用語はどれか。
ダイエットや貯蓄が「明日から」になりがちなのは、現在の満足を過大評価する現在バイアス(双曲割引)の例です。対策として、締切や積立の自動化などあらかじめ自分の将来の行動を縛るコミットメント手段の活用が提案されています。
伝統的な経済学が仮定してきた、自己の利益を最大化するよう常に合理的に行動する人間像を何と呼ぶか。
合理的経済人(ホモ・エコノミクス)は、理論を単純化して分析するための仮定です。行動経済学は、この仮定から人間が系統的に外れる場面を研究する分野であり、伝統的な経済学を全否定するものではなく、補完・修正する関係にあると理解するのが標準的です。
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